やぎレポート2014


パールとピエール
山羊の放牧
子ヤギの後ろ姿

2014.10.18(土)このうえなく晴れ

 

福井県池田町にあるTAKARAチーズ工房さんの山羊たちを見に行って参りました。

 

きっかけ

去年、TAKARAチーズ工房さんの山羊チーズを初めて食べて驚きました。

こんなにフレッシュで山羊独特のにおいを感じさせないチーズを、日本でしかも北陸で作っているところがあるんだ....

しかも、すごく美味しい!! 

とにかく感動し、それ以来「山羊のフレッシュチーズ」は自分の講座に何度も登場しています。

山羊チーズが臭くて食べられない...という参加者の方がいらっしゃいますが、このチーズは美味しいと召し上がっていただけるのです。

 

そんな魅力的なチーズの原料となるミルクは?山羊ってどんなふうに育っているんだろう?

という、最初は素朴な疑問でした。

 

しかし、日が経つにつれどうしても山羊に会いたくなり、稲刈りが一息ついたところでご訪問させていただくことに....

 

家族のような山羊たち

TAKARAチーズ工房さんは、山羊を飼っているというより、山羊を家族のように育てていらっしゃいます。今回は、奥様と研修中でいらっしゃる方のお二人に山羊たちをご案内していただきました。

 

山羊たちは奥様のことを「お母さん」と思っているようです。彼らはとても人懐っこく、カメラを向けるとちゃんとカメラ目線になりご愛嬌たっぷり。ひととおりサービスが終わると、さっさとエサを食べることに戻ります。

山羊は1日中お腹が膨れるまでずっと食べているのだそうです。ウシと同じく反芻動物なので、もぐもぐ口を動かしています。ちなみに山羊たちは上アゴの前歯はありません。

この細面の顔から食べてばかりいる姿を想像できますか?

しかも、上からみると胴体の側面がポンポンになるくらい食べ続けるそうで、体重も子ヤギでも40~50kgあるのだとか。

山羊を触ってみると、質量がしっかりある骨を感じます。今年の4月と6月に生まれたイクラとペロ。馬のパールの傍にいるのは♂ヤギのピエール。山羊の放牧は別の場所なので、パールが寂しい思いをしないよう、ピエールはいつも一緒にいます。

 

山羊のエサ

山羊たちは自分の食べるものをよく知っています。季節によって何が一番美味しいのか、どの部分が美味しいのか等勢いで食べているようにみえますが、実は選んでいるのです。

青々とした子供たちより背が高いトウモロコシ。葉っぱは食べますが茎は食べません。ヨモギや他の草に関しても、柔らかい葉先を食べて根っこに近い部分は見向きもしません。 自然の草を食べて育っている山羊たちの出すミルクは美味しくて当然と思わないわけにはいきません。

また、オスとメスの山羊たちは別々の場所で生活しているとのこと。なぜならオスは非常に個性的な匂いを放つそうです。搾乳する場所も生活している場所とは離れていて一定の距離と清潔感を保っています。 

 

山羊の放牧

車に乗って5分もかからなかったところに山羊たちはいました。出てくる出てくるといった感じで山羊が姿を見せます。25頭ほどいるそうです。

ちょうど山羊たちのお昼寝タイムごろに行ったので、気持ちいい秋の空の下、まったり過ごすことが出来ました。

山羊たちは広々とした田圃をゆっくりと進みます。夕方になると奥様が迎えに来て、トラックに山羊たちを乗せて帰るそうです。

放牧中は道路に飛び出てしまわないように、電気が流れる線を張って囲いをしていますが、実は山羊たちは簡単に囲いを飛び越えられるとのことです。

 

山羊たちの緊張

ちょうど放牧地の傍を散歩中の犬が通りました。

すると、一気に山羊たちの緊張が高まります。点在してのんびりしていた山羊たちは所々でグループ化し、耳をピンと立て、犬が通り過ぎるのをじっと見つめていました。

どうやら犬をオオカミと間違えているらしいのです。微動だにしない姿に草食動物の集団性を強く感じました。犬が通り過ぎた後は、ほっとしたのかチョコボール大の糞をコロコロと排出するのでした(笑)

 

山羊の寿命

山羊は長ければ15年は生きるのだそうです。出産を繰り返すことによって寿命は10年ほどになります。奥様がおっしゃるには、山羊たちは家族の一員なので、無理して出産して落命するよりも長く生きてほしいとのこと。山羊に対する愛情の深さを感じました。

柔らかくてフワフワした毛の子ヤギたちも、時期を見計らって秋に種付けされ、翌年春には出産、乳を出すわけです。1頭につき年平均1日2リットルの乳量で、4,5,6月は4リットルの乳を出す山羊もいるそうです。

ストレスフリーのミルクで作られたチーズ。是非皆様も召し上がってください。